『変身』してきた話
『人生の夏休み』と例えられる大学生活を終え、社会人となり、仕事を覚えようと必死に働いて早三ヶ月。
上司に注意されることはあるものの、だいぶ仕事に慣れ始め、「社会人の端くれのさらに端」くらいにはなれてきたのではないだろうか。
毎朝決まった時間に起き、身支度を済ませ、出社し、仕事が終われば寮に帰る。
社会人となった自分の生活はこれの繰り返しである。
刺激が足りないと思った。
代り映えのない日常の中に、ささやかながらも非日常なことが必要なのではないか。
そう、例えば───
『変身』とか、どうだろう。
〈はじめに〉
どうもヨシダです。
突然ですが皆さん、『変身したい』と思ったことはありますか?
いつもの自分からかけ離れた「何者か」になることで、非日常を味わってみたい。
誰しもがそんな願いを多少なりとも抱いているのではないでしょうか。
かくいう俺もそんな願いを持つ一人であり、毎週日曜日は欠かさずスーパー戦隊や仮面ライダーを視聴し、むくむくと変身願望を育んできました。
はいヘイトスピーチ
そんなこんなで社会人となり、(あ、これあっという間におっさんになるわ)と滅茶苦茶怖くなったので、20代のうちにやりたいことはやっておこうと思い立ったワケです。
意を決して『変身』しようと。
そこで───
女装してきました。
〈そもそものはなし〉
上述したように、変身願望は『自分ではない何者かになること』で満たされていきます。
男性である俺が男性キャラのコスプレをしても、それは逃げていることに他ならないワケで、女々しい行為なのです。
では、最も男らしい変身とは何なのか。
ここで、男らしい=男にしかできないことと考えられます。
よって、女装こそ最も男らしい変身だと言えるのではないでしょうか?
うんうん
↑ヨシダさん嫉妬民
完璧な理論を証明できたことで女装へのモチベがぐんぐんと高まっていくのを感じました。
しかしここで致命的な問題が。
俺はメイクなど一切したことがないということです。
適当にAmazonで女物の服買って着ればいいじゃんというヨシダさん嫉妬民のあなた。
その考えは愚かです。
想像してみてください。
メイクもしていないただの成人男性が女物の服を身に纏う姿を。
こうなることが容易に想定できます。
『カワイイ』に、妥協は許されないのです。
ではメイクをしたことがなく、大学を二留し、肉体労働を強いられている俺が可愛く女装するためにはどうすればいいのか。
そんな俺のようなちいかわ(地位が低くて代わりがいくらでもいるやつ)男性の悩みを解決してくれる夢のようなお店が存在することを皆さんはご存知でしょうか?
その名も女装サロン
メイクのプロがあらゆる要望に応え、なりたい自分へと変身させてくれる、今の俺にうってつけのお店が各地に存在するのです。
今回選んだ女装サロンはこちら
lagemayo.com
ここであれば完璧に変身させてくれる。
そう確信した俺は、Twitterで運命を共にしてくれる仲間を募り、決戦の日を迎えるのでした。
〈決戦の地、心斎橋〉
心斎橋へと降り立ったヨシダ、がんだー(@gander_bndrmnd)、とらんせる(@Toranseru_poke)。
予約は16時からでしたが、せっかく大阪に行くのだからと13時頃に集合し、お昼を食べたりオタロードを散策することにしました。
「っぱ大阪来たらお好み焼きだよな」とそこら辺にあった風月に乗り込みましたが、死ぬほどビールが飲みたくてたまらなかったです。
女装に万全を尽くすためにも、お店の人に迷惑をかけるワケにもいかないので堪えました。
正直昼飯に粉物を選択したのはミスだった気がします。
そんなんだからいつまでたってもポケモンで結果残せないんだぞ。
オタロードで存分にキモ・オタク成分を摂取したのちに、目的の女装サロンへと向かうのでした。(ここからとらんせるとは別行動。あいつは逃げたため)
〈変身〉
マンションの一室にそのお店はありました。
最初に目に飛び込んできたのは所狭しと並んでいる洋服です。
漫画やアニメ、街中で歩く女の子が着ているような服を今から自分が着るんだと思うとドキドキします。
今回俺とがんだーの二人のメイクを担当してくださったのは店主である堀口さんという女性の方でした。
「お二人とも、今回はどんな恰好がしたいですか?」
そう尋ねられて、一瞬明確なビジョンが頭によぎったものの、また考え直します。
いやぁ、俺ももう25歳だし?流石にそういう恰好はなぁ…
そんなことを考えていると、堀口さんがこうおっしゃいました。
「40歳とか50歳の方も結構来られるんですけど皆さん口をそろえてこういうんですよね。『若いうちからこういうことしとけばよかったなぁ』って」
誰よりも愚かなのは俺だった。
何を恥ずかしがる必要があるというのでしょうか。
ここは女装サロン。
夢を現実にしてくれる場所なのです。
堀口さんを信じ、己の願望を吐き出すことがここでの最大限のリスペクトなのです。
そうだよな?
\あんたはふゆとここで死ぬのよ/
冬優子
「俺は───」
震える声で堀口さんにこう伝えます。
「黛冬優子みたいになりたい」
男になるって、たぶんこういうこと。
そこからはスムーズに物事が進みました。
先にじゃんけんで勝ったがんだーのメイク、衣装合わせを終え、次に俺の番がやってきました。
『メイクとは立体的な絵を描くことである』とはどこかで聞いたことがありましたがまさにその通りでした。
俺の顔がまるで別人のように描き直されていくのです。
女性に絵が上手い人が多いのってこういう理由なんでしょうか。
堀口さんに聞いてみると元々絵も描いていて水彩画が得意だそう。
そんな雑談を楽しみながら、俺の変身が完了したのでした。
見ていてください。俺の、変身
おぉ…!!
どうですか。結構可愛くないでしょうか?
骨格が多少広いかもしれないことに目を瞑れば、どテンプレの地雷系ですよコレ。
このあとも女装したがんだーとペア写真などを大体300枚ほど堀口さんに撮影していただきました。
撮影中、堀口さんにひたすらカワイイ!!!!と言われながら撮影され、自己肯定感がとんでもないことになりました。
めちゃくちゃ盛ってくださって本当にありがとうございました。
〈変身解除〉
夢のような時間も終わり、堀口さんにお礼を伝え、お店を出た後に三人で梅田で飲むことになりました。
がんだーに「ひたすらマグロが食える店がある」とオススメの店を紹介してもらい、ひたすら女装が楽しかったことを二人でとらんせるに熱弁しました。
次はお前やぞ。
大学時代の友人と昼から遊び、夜に飲んで語り明かす。
なかなかに最高の休日を過ごせたな、と思いました。
〈ちなみに〉
堀口さん「今回撮影した写真の中でそれぞれ一枚ずつ選んでくださったら、それをさらに可愛く加工しちゃいますよ!」
がんだー「でもそれだとペア写真も加工して欲しくなっちゃうネ…」
堀口さん「なら今回特別にもう一枚サービスしちゃいます!!」
ヨシダ「何から何までありがとうございます…!お礼になるかはわからないんですけど───」
「───俺たちの友人をここに連れてきますね!!!!」
次に変身するのは、この記事を読み終わった『あなた』かもしれませんね。
おしまい